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petit bien


by happyhour9-6-2004
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■ イスラエル・パレスチナ問題 ■

■ イスラエル・パレスチナ問題 ■_a0026306_17104854.jpg


ニュースでよく耳にする、パレスチナとイスラエルの問題。
2005年の年明け早々2日に“イスラエル軍がガザ地区攻撃、パレスチナ人
5人死亡”というニュースがありました。私は、コタツでぬくぬくと美味しい青島
ミカンを食べながら、世界各国の華やかで幸せそうな、新年カウントダウンの
様子を映したニュースの後に、このニュースを見て、自分を含め一体日本の
どのくらいの人がこのニュースに関心を覚えているのだろうと思いました。


私自身も以前は“遠い国でずいぶん長い間、戦争やってるんだな~”くらいの
気持ちでしかこのパレスチナ・イスラエル問題を捉えていなかったのですが、
このニュースをきっかけに少し頭の整理をしようと思いブログにしてみました。


■■ なんで戦争しているの? ■■
無理して簡単に言うと、一つの土地をめぐり、2つの民族が長い間争いを続け
ているということです。2つの民族とは、①この土地で長い間暮らしてきている
パレスチナ人(アラブ人) ②神によってこの土地を永久的に保障されていると
信じるユダヤ人(イスラエル人)。
この2つの民族が互いに譲らない(いや、譲れない)ためにず~っと争いを続け
ているわけです。
途中で、国連が介入して元々一つの国だったパレスチナを両者の為に?(両者
や周辺アラブ国家の承諾なしに。これがまた問題)分割したりもしましたが、
双方納得いかず結局両者は譲らず今に至っているのです。仲良く一緒に暮ら
していけばいいじゃん。なんて簡単な発想が出来るのは、私たちが単一民族
の日本人だからでしょうね。

ユダヤ人は多くの迫害を受け今や世界各国に離散している状態です。しかし
シオニズムに則り、約束の地へ帰ろう。という動きが全世界で起こり、一斉に
パレスチナへ移民しました。困ったのは、ずっと住んでいた(当時)イスラム
教徒のアラブ人。(現パレスチナ人)肥沃な土地は、ユダヤ人に占領され
パレスチナ難民として他国への移住を余儀なくされる事態に陥ったからです。
他国への移住をしなかったパレスチナ人は、ユダヤ人の土地で暮らし始め
イスラエル国家の中のパレスチナ人(アラブ人)として複雑な気持ちで生活して
いるのです。

          神に約束されている土地を取り返す!(ユダヤ人
                   vs
          元々住んでいた土地を追い出される!(パレスチナ人)

■■ ユダヤ人 ■■
ユダヤ教の唯一の神は“ヤーウェ”(エホバなど呼び名は色々ある)。厳しい
戒律(神との契約)を守ることによって、神の国での将来永遠の命を保障されて
いる。もともと古代エジプトのイスラエル人に端を発している。神とユダヤ人との
間にはいくつかの約束があり、その中にシオンの土地(パレスチナ)をユダヤ人
の永遠の土地にするという約束があるために、ユダヤ人は何が何でも聖地
エルサレムのあるシオン現パレスチナを奪回したいのです。
※紀元前ユダヤ人が奴隷として扱われていたエジプトを脱出した際に、預言者
モーセ率いるイスラエル人が向かった先は、パレスチナにあるシナイ山。ここで
モーセを介して、神から“十戒”を与えられる。という話は有名ですよね。(ちな
みにエジプトを脱出し、敵に追われながら地中海を渡る時に海が2つにパックリ
割れた話もこの時の話です。)

■■ シオニズム ■■
“全世界に散らばっているユダヤ人たちよ、神が約束した地シオンへ帰ろう”
という動き。
シオニズムが発生した直接の原因は、1880年頃のロシア(末期ロマノフ王
朝)にあります。末期のロマノフ王朝は絶対王政を強固に維持するにあたり
国教ロシア正教の権威を守るために躍起になっていました。国教を守るため
にユダヤ教徒に対し、ポグロム(打ち壊し)による迫害を行いました。しかし実
際には迫害というよりも、集団虐殺です。当時ロシアや周辺国には600万人
ほどいたと言われているユダヤ人が、1881年~1914年の間に300万人
弱も移民している事実を見れば、迫害どころの騒ぎではなかったことが分かり
ます。この時に発せられたのが“シオニズム”です。神の約束された地でナシ
ョナル・ホームランド(自由に住める土地)を作ろうという動き。

加えて当時パレスチナはイギリスの委任統治下にありました。そのイギリス
から、1917年にユダヤ人にとっては見逃せない重要な書簡がイギリス在住
のユダヤ人ロスチャイルド宛てに届いたのでした。
その書簡を送ったのは、イギリスの議員アーサー・ジェイムス・バルフォア卿。
内容は「イギリスはシオニストの願望に対して最大の努力を払う」という内容が
記されていました。その後この書簡は、1948年5月14日のイスラエル建国
に至る大きな鍵となります。

ロスチャイルドのような一部のユダヤ人は商人として非常に大きな権力を持っ
ています。西欧諸国は中東の石油の利権を手に入れるため躍起になっていま
した。また、当時戦時中だったこともあり、イギリスはロスチャイルドのような
ユダヤ人有力者の関心を惹こうとしたしたたかさが含まれるものだったと思い
ます。

つづく・・・

■■ 参考文献 ■■
・中東情勢を見る目 瀬木耿太郎著 岩波新書 
・ユダヤ国家のパレスチナ人 David Grossman 千本健一郎訳 晶文社
・民族はなぜ殺し合うのか マイケル イグナティエフ 幸田敦子訳
・The Japan Times ST News



「 お願い 」
事細かく調べて行くととてもブログには収まりきれません。簡単に作ろうと思っ
て端折ってはいけないところを端折ってしまう可能性もあります。お気づきの方
はご指摘頂けると大変有難いです。


この問題には、宗教・郷土・石油などの問題に多くの国々が絡み合っています
が出来るだけ分かり易く説明出来ればと思います。


by happyhour9-6-2004 | 2005-01-06 16:40 | travail